日本の治療家は勤勉です。
ただ残念ながら、代替補完医療産業としては世界から遅れをとっていて、まだまだ発展途上です。
今回の記事では、日本の治療院業界の発展を願い、日本の治療院業界に必要な要素について解説します。
「治る」とは何を意味するのか
1つの理由は、「治る」の定義が浸透していないことが挙げられます。ですので、治療家自身、「治る」ということはどういうことなのかを理解しておく必要があります。
現状の治療院業界においては、痛みが取れることが「治る」となっているのが一般的です。
「痛みが引いても元の原因が解決していないと意味がない」ということは、すでにこの記事をお読みの先生もご存知だと思います。
技術神話:治療とテクニックの区別
治療とテクニックの整理がついていない先生が多いことも、1つの大きな理由だと言えます。
日本には、技術を盲信する傾向があります。
- 高度な技術を身につければ1回で治る
- 数回の治療で来院しなくて済む
- 1つの技術で何でも治すことができる
…といった話は、人間工学的にありえない話です。多くの先生は見て見ぬ振りをしますが、これは誰もが冷静になって考えればすぐにわかることです。
筋肉、骨格、神経系に起きている問題。
それも、10年、15年にわたって続いている問題点。
それが、1回や数回の治療で治ると信じている先生が非常に多いです。
技術セミナーの弊害・技術至上主義
この現状は、技術セミナー販売業者に大きな責任があると思っています。
技術セミナーに行くと、1回で治るような手技が存在するかのように錯覚してしまいます。
一時的な変化と本当の治療効果の区別がつかない先生がほとんどなため、それを信じてしまうのです。
治療活動を行うにあたって、技術は必要不可欠ではあります。ただ、それが全てではありません。
技術は、治療のごく一部のパートでしかない…ということを意識する必要があるでしょう。
慢性疾患に対する教育
ここが大きな問題なのですが、日本には慢性疾患に対する治療を教えるような教育機関が存在しません。
この記事をお読みの先生は柔道整復師の方も多いと思いますが、柔道整復師の学校では慢性疾患に関する治療について全く学ぶ機会はありません。
なぜ慢性疾患が起きているのか…といったことについて学んでいない訳ですから、根本的な治療をしようとしても、何をするべきかわからない…という先生が多いです。
従って、治療家の先生は、現代医療とは違う観点から見た慢性疾患に対する患者の治療というものを、自ら学び、実践していく必要がある訳です。
まとめ
日本の代替補完医療産業は、まだまだ発展途上です。
「技術・テクニック」と「治療」をしっかりと分けて考え、自身にとって都合よく物事を捉えるのではなく、何が正しく何が間違っているのかを冷静に判断できる力を身に着けましょう。
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