「プリペイドカードの導入を検討しているのですが、どうでしょうか?」
といったご相談をいただくことがあります。
昨今、電子マネーやクレジットカードでの支払いがメインになってきているため、既に回数券から切り替えている治療院もあります。
結論からお伝えすると、プリペイドカードの導入は慎重に考えるべきです。
一般的に上げられるプリペイドカードのメリットは、主に3つ。
- 単一メニューではなく複数メニューに使用できる
- 端数が残るので追加購入を勧めやすい
- 割引額がわかりやすく売りやすい
私は普段から、「治療院の原理原則」の1つとして、「患者に対して治療計画を提示し、同意をいただくこと」を院経営の大前提としてます。
治療計画には当然、治療期間・回数・頻度・治療内容が含まれます。
この前提を踏まえた上であらためて考えると、前述した3つのプリペイドカードのメリットは錯覚であることに気づくかもしれません。
具体的に説明していきます。
もくじ
プリペイドカードの3つの錯覚
複数の治療メニューに使用できる?
根本的な治療を前提として施術を行っているのであれば、先生が決めた治療計画通りに患者に来院してもらわなければなりません。
患者の要望通りにコロコロと治療メニューを変えるのは、リラクゼーションサロンです。
当初の計画どおりに来院してもらう訳ですので、「複数の治療メニュー」が発生する訳がなく、プリペイドカードで対応する必要がそもそもないと言えます。
使い切りにならない、追加購入を勧めやすい?
「プリペイドカードの特性を生かして、来院させつづける」という考え方は、リラクゼーション的な考え方でありナンセンスです。整骨院や治療院は、リラクゼーションサロンとは違います。
回数券で考えるとわかりやすいと思います。
合計8回来院してもらう治療計画を立てたのに、10回券や12回券を買わされると、「余りはどうするの?」と疑問を持たれることでしょう。
計画通りに来院してもらうことを前提とすると、プリペイドカードに端数が出ること自体がデメリットになることがわかると思います。
回数券よりも売りやすい?
これは単なる錯覚です。「回数券よりプリペイドカードのほうが売りやすい」…ということは、決して無いはずです。
回数券を販売する際もプリペイドカードと同様に「通常●回だと●円のところ、回数券だと割引価格の●円で受けられます。」と説明することになります。
上記の内容と合わせて考えてみると、整骨院や治療院という業態ではプリペイドカードの導入は慎重にならざるを得ない…というのが私の考えです。
プリペイドカードの本当のメリットとは?
私が考えるプリペイドカードの本当のメリットは、
- 回数券(紙)よりカードが美しい、丈夫で保管しやすい
- 繰り返し利用することができる
- 長期間のデータ管理が可能となる
といったことです。
そして、これらの導入費用や管理費用がリーズナブルであれば、導入を検討しても良いかもしれません。
院の治療計画に沿って使うことが大前提ですが、コストとメリットをしっかりと考えた上で導入するかどうかを判断するようにしてみてください。
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