経営

【治療院経営】整骨院の自賠責・交通事故集客が極めて危険な理由

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以前は「交通事故専門院」という打ち出しをしたり、広告で交通事故患者を集客する院も少なくありませんでした。

ですが現在、自賠責に頼る経営は極めて危険です。

今回のコラムでは、自賠責と交通事故集客の危険性についてご説明したいと思います。

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【治療院経営】保険診療・自賠責・美容整骨(美容鍼)の終焉前回のコラムで、自賠責依存型の経営が危険であることはすでにお伝えしました。 https://chiryou-in.com/shuk...
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不正請求が横行している現状

交通事故負傷者は減少の一途

まずお伝えしておきたいのが、「交通事故負傷者は年々減りつつある」という事実です。

70年に1回目のピークとなる98万1096人を記録。

その後も発生件数をなぞる形で一度は下がるが再度上昇に転じ、04年がピークで118万3617人を記録した。なお99年から07年までは、9年連続で100万人を突破。大きなピークを形成した。

しかし、その後は減少しており、17年は57万9746人となり、04年と比較して約49%となっている。

出典:【交通事故統計】グラフに表れる驚きと納得!1948年から2017年までの推移

交通事故負傷者数のピークは、2004年の118万3,617人。

その後は一転減少の一途を辿り、2017年には57万9,746人となっています。

2004年と比較すると2017年は負傷者数が半減しているということです。

約5万院の整骨院に対して、年間約57万人の交通事故負傷者が存在することになります。

単純計算すると、1院あたり年間12人以下。ひと月あたり1人以下になる計算です。

なお、内閣府が2016年3月11日に発表した第10次交通安全基本計画では、2020年までに死傷者数を50万人以下にするという目標を国として掲げています。

このペースでいけば十分に達成できる見込みです

さらには、

  • 衝突防止機能
  • 自動運転といった自動車の進化
  • 交差点・道路事情の改善
  • ドライブレコーダー
  • 移動式オービス

などが普及することで、今後交通事故が減少することは明白だと言えます。

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自賠責保険請求者と金額は横ばい

ただ、交通事故負傷者数が減り続けているその一方で、自賠責保険請求者数と金額は横ばいになっています。

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出典:損害保険料率算出機構・グラフで見る!自賠責保険・共済統計速報

この2つのデータが何を意味しているのかわかりますでしょうか?

単刀直入に言うと、不正請求をする院が数多存在している、ということに他なりません。

異常としか思えない状況です。

損保会社は不正請求撲滅に動いている

損保会社がこれを黙って見過ごすはずもなく、徹底的に不正請求撲滅に動いており、摘発されるケースも出ています。(それも氷山の一角ですが)

そもそも、交通事故患者を集客することも、「交通事故専門院」といった打ち出しも法令違反です。

損保会社は、

  • 広告で交通事故患者を集めている
  • 交通事故患者が集まるポータルサイトに登録している
  • 請求件数が多い
  • 請求期間・金額が多い
  • 患者に定期的に病院の診察を受けさせていない

このような院をリサーチしていて、ブラックリストに入れたり調査対象にしたりしています。

  • 少しでも不審な請求があれば、損保会社の立ち入り調査が発生。
  • 立ち入り調査で不正と思われる請求があれば、7,000円といった少額でも、即座に警察に被害届けが提出されます。
  • その後警察による徹底捜査が行われ、拘留。容疑を否認すると実名報道…

このようなシナリオが待ち受けています。

最近だと患者が一緒に逮捕されるケースも珍しくありません。

患者が容疑を否認し、実名で報道されるケースもあります。

医師会の対応も変化

また、医師会の対応も明らかに変化しています。

医師会にとって治療が長引くことは何のメリットもありません。

地域によって温度差がありますが、医師会が整骨院での治療を認めない方向にシフトしつつあります。「整骨院での治療に同意するな」という達しが出るケースもあります。

整骨院に通院しているなら診療しない、整骨院に通院していると後遺障害を認めない…という極端なケースが出てしまうほど、医師会は目くじらを立てている訳です。

結論:交通事故専門整骨院はもう通用しない

昔と違い、交通事故集客はもう時代遅れの経営手法だと思うべきだと言えます。

月に1人来るか来ないかの交通事故集客に力を入れるよりも、本質的で地に足がついた経営を実践するべきだと言えるでしょう。

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井上 定雄
井上 定雄
治療院コンサルタント 日本治療院支援協会 代表理事
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