患者教育は「患者が知るべきことを伝える」ためにとても大事なことです。
もしも先生が「患者教育」と耳にして違和感を覚えるのであれば、この記事を通して、ぜひ患者教育の重要性について理解してみてください。
もくじ
「患者教育」の意味
医療業界でよく使われる「インフォームドコンセント」という言葉があります。
患者や家族に治療について説明をすることで、病状や治療について十分に理解してもらい、同意を得ることです。
治療院における「患者教育」も、「患者さんが知るべきことを伝えること」ですので、インフォームドコンセントに通づるものがあります。
つまり患者教育は「治療家も果たすべき責務」だと言うことができる訳です。
逆に、患者教育を怠って施術を開始してしまうと、どれだけ素晴らしい施術であれ単なるリラクゼーションと同じです。
治療院として看板を提げているのであれば、患者教育は必ず行う必要があると言えます。
「患者教育」に則った施術を行う
患者教育を行うためには、患者に「現状」「原因」「治療」について正しく伝える必要があります。
以下にポイントをまとめましたので、参考にしてください。
現状・患者の身体に起きている問題の把握
患者の自覚症状だけでなく、筋・骨・運動神経・自律神経・感覚神経上に起きている様々な問題についても確認しながら説明しましょう。
問題点の根本原因の説明
凝っている、張っている、固い、動きが悪い…などは症状であって原因ではありません。
整骨院であれば姿勢、鍼灸院であれば自律神経など、症状を引き起こしている根本的な原因について説明する必要があります。
患者は原因を把握することで、初めて「治る」という期待を持つに至ります。
治療計画の説明
根本原因に沿った治療計画を伝えます。どの様な治療をどれくらいの期間、どれくらいの頻度で受ける必要があるかを説明しましょう。
患者にとって重要な情報を正しく提供し、治療予定を明確にすることは、信頼される治療家としての責任ともいえるでしょう。
以上の3点を正しく伝え、「治療計画通りに通えば根本原因は解決する」と、しっかり患者さんに理解してもらった上で、施術を開始するようにしましょう。
治療中であっても、患者教育は必要
患者教育は、施術前のみではなく治療中も必要です。
計画通りに治療をすすめていると、患者から「痛みが消えたのでもう通わなくて大丈夫です」と言われることがあるでしょう。
ですが、ここで治療を離脱させてはいけません。
「楽になったのはよかったですが、一次的なものでしか過ぎません。根本的な原因を解決するためには、治療計画通りに来院してもらう必要があります。」
といった患者に伝え、理解してもらうようにしましょう。
反対に、「なかなか良くならず、痛みも引きません。」と言われることもあります。
患者が治療の改善を自覚できないため、不安になってきているということです。
ですので、こちらも治療を離脱させないよう対応する必要があります。
「長年の姿勢が原因となっているので、治療の時間はかかってしまいます。ですが安心してください。治療の効果が見込めていますので、予定通り週○回・月○回しっかりと来院してくださいね。」
といったことを伝えて、安心させてあげると良いでしょう。
求めていない患者さんへの対処の仕方
中には
- 「痛みがなくなればそれで良い」
- 「今日だけ治療して欲しい」
といった患者が来られることもあるでしょう。
もちろん先生としては、どんな患者であっても治療してあげたい・楽にしてあげたい、と思うものでしょう。
しかし、そういった患者はドタキャンしたり、次回予約に繋がらない傾向にあり、患者教育するまでに至らず、独断で治療を終えてしまいがちです。
このような患者に時間を取られていると、継続治療に同意してくれた患者さんの妨げになる可能性もあります。
そうならないためにも、
- 根本的原因の解決に向けた治療しか行っていない
- リラクゼーション目的の治療は行っていない
- 短期的な痛みを軽減するような治療は行っていない
といった旨を、来院前に患者に伝えることができるようにしましょう。
飛び込み患者の場合は、受付でスクリーニングすると良いでしょう。
また、ホームページ上や院の外観(看板)でもスクリーニングは可能です。
こうすることで、「今日だけ治療して欲しい」「痛みだけとって欲しい」といった患者さんを避けることが可能になります。
まとめ
今回は「患者教育」の重要性についてお話ししてきました。
患者教育を行い、継続来院の大切さを患者に認識してもらった上で治療を提供するよう心がけてみてください。
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